『新宿少年探偵団 宙(そら)』読了

読んでいる本を片っ端から書いているわけではないのですが、とりあえず気になったものはちょこちょこと。

『新宿少年探偵団 宙(そら)』(太田忠司 著/講談社ノベルズ)
気が付いたら出ていました(汗)
シリーズ完結。樹海と化した新宿の、そして今までの事件の全てが明らかに……

……正直な感想を言うと、微妙でした。
話としてはちゃんとまとまっています。今までの伏線も消化され、全ての謎は明らかにされています。
最後は驚愕の事実も明らかになります。しかも読者の予想だにしない結末が。

ただそれは、私にとっては、驚愕以上に「愕然」と「無力感」を叩きつけられたものでした。

……理由については、ネタバレなので追記に書きます。
少なくとも言えることは、多分私が勘違いしていたことを痛感させられた、ということです。

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多分、ライトノベル的(良い意味で)と思っていた私が間違っていたんでしょう。
太田さんは、あくまでもミステリ作家であることを失念してはいけなかった。
全ては「謎」と、謎の解決のために存在しているわけですから。

いちばん違和感を覚えたのが、
「結末に対して、一巻から全部ひっくるめて、主人公達の介在は全く影響を与えていなかった」
ということだと思います。
これは「作者にとって」では決してなく(作者は基本的に結末は用意してあるもの)、
「読者にとって」でもありません(読者はむしろこの結末を予想してなかったでしょう)。
それは、「作品内のある登場人物にとって」なのです。

作品内の世界において、主人公達をはじめとする登場人物は、芦屋能満の掌の上で踊っていただけだった。
彼らの行動は全て計算された事項であり、全ては結末への布石でしかなかった。
それまでの主人公達の活躍は、結末によって全て無に帰したのです。
これは、私に「愕然と無力感」を与えるには充分でした。

# まぁ、パラダイムシフトしちゃいましたしー、それまでのことなんか全て無かったも同然ですしー
# と、思っておくことにします(滅)

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