遅ればせながら、『精霊海流』(早見裕司 著/ソノラマ文庫)読了しました。
なんというか……
何でもっと早く読まなかったよ、俺(涙)
何かこう、作品全体の空気感がすごく感じられる作品でした。
舞台は沖縄なのですが、私は何となく故郷を思い出しました。
一気に読んで、つい涙しそうになったのは、久しぶりかもしれません。
著者の前の著書を読んでないと多少わかりづらい人間関係があるのと、
(現に私はよくわからないところがあった)
後半の展開が急かなー、というところはありましたが、
それを乗り越えるくらいの何かがあります。
例によってネタバレは追記に。
----------ここから追記
主人公の水淵季里が、いい子なんですよ……
持っている『力』故に、人から疎んじられることも多いのだけれど、それでも、
助けてくれる人たちの力も借りて、どこまでも純な心を持ち続けている。
そして、それこそが一人の「友だち」を、命を賭して助けようとする原動力となるんです。
昨今に多い、いわゆる斜に構えた系の主人公とは全く違う存在ですが、
むしろわたしはこういう主人公の方が、好きです。
あとこの作品、読んでいて妙にホームシックに駆られるのですが、
それは端々に書かれる沖縄の情景と、人々の姿のせいかなぁ、と。
他にも、著者の言わんとしていることが、結構強力に伝わってきます。
「普通って何だろう」って考えてみたり……。
ともかく、久しぶりに、すごい作品に出会ったと、思います。
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