Elysion ~楽園幻想物語組曲~

またの名を、『ABYSS ~奈落幻想物語組曲~』
Sound Holizonメジャーレーベル2枚目の作品を、遅ればせながら購入。
前作の、(メジャーデビュー作品である)Elusyon ~楽園への前奏曲~ がかなり気に入っていたのですが、
噂では今回が「いよいよ本領発揮」とのこと。

っていうか、これほど「聴くことに集中を要する」作品ってのは初めてかもしれない。
1枚のCDが、完全に一つの物語世界を形成している。
これが巷で言う「本領発揮」というものか……と思ってしまったです。

《楽園》と表裏一体、いや、真の姿である《奈落》。
……某先生には余りお勧めできないかも、話的には明らかに闇エンドですし(苦笑)
特にBaroque。

まだ聴き込みが足りないけど、追記で若干のネタバレを含めて、
私なりの歪んだ妄想を垂れ流してみるテスト。
って、音楽CDでネタバレって(w

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構成は大きく2つに分けられるのは自明の通り。
「エル」と「仮面の男」のでる『Elsyon』サイドと、
少女たちの悲劇を綴った『ABYSS』サイド。

『Elsyon』サイドも、光に満ちているわけではなく、そこには奇妙な「歪み」を感じる。
感覚的には、未来世界でただ独り残された少女「エル」と、
「仮面の男」(すでに亡い?)の追憶のようなものか。
無垢な少女というモチーフは、得てして禁忌の象徴とされる。
この話の少女「エル」は、むしろ私には新井素子の小説『チグリスとユーフラテス』の、
《最後の子供》ルナを想起させた。
とはいえ、禁忌の象徴というのも多分間違いではない、と思う。
それは「仮面の男」にも関わってくるだろう。

『ABYSS』サイドで紡ぎ出される5つの悲劇は、聴く限りでは時系列がバラバラのように思えた。あくまでも私見だが、「Ark」が未来(『エル』よりは前)、「Baroqure」が近~現代、「Yield」「「Sacrifice」が中世~近世、「Stardust」が現代と考えている。
最大の謎でありこの5つの物語の共通点は「仮面の男」の出現なのだが、これはもう少し聴き込まないとわからないかもしれない。

そして、32個の無音トラック(各5秒)の向こうにある、トラック#44と、その後の7秒の無音トラック。
ここがこの作品の謎を解く鍵になるのかもしれないが、詳細は未だ不明……

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